2007年12月10日

『宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA』第七話「宇宙戦艦はじめました」

宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA

目次

10111213目次



『宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA』目次
公式ページ「Z-Land-Bさくいん:宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA
      ■第七話「宇宙戦艦はじめました」
      しばらく黙っていましょうか?

良輔   左遷、降格、事故、ついでに一個大隊食べた。もうこわいものなしだ。
     ・・・はあ、やっぱりお腹が減らないな。
ケンイチ そんなに気になりますか?
良輔   ああ、気になる。のども渇かないし。
ケンイチ 確証いらないんで、結論言ってくださいよ。
良輔   もうっちょいなんだよ。
ケンイチ 探偵みたいな。
良輔   だってさああ。あ、そうだ。さっきの・・・
ケンイチ チュヲンのみなさんですね。
良輔   どうなりそうだ?
ケンイチ それを言う前に知りたいんですよ。(表情で駆け引き)
良輔   ・・・わかった。鶴川君も一応聞こえるか。
優子   一応。
良輔   私はこれを事件だと思っている。
     あるものが、私達の乗っている宇宙船にあるものの卵を仕掛けた。
     乗り損ねを期待していたのか、予備のように積荷に置いてあった。
     出発して数分後、その卵は自分に人を乗せるために事故のような状態を作った。
     警報は鳴っていたが、原因が実感しにくかったのは、警報装置だけ鳴っていたからだ。
     私達はまんまとその卵に乗った。
     体温で孵化し、デブリや岩を食べて大きくなった。
     そして、今、宇宙戦艦を食べた。
     一見、生き延びるために宇宙戦艦を食べたように見えるが、
     宇宙戦艦を食べるために私達は生かされている。
     ゆえに、私は、ぴよちゃんがあるべき姿になっていくと推測し、そういう事件だと考える。
ケンイチ そういう事件?
良輔   所属不明の宇宙戦艦が道すがら艦隊を消してゆく。
     気になっているのは「私の推進力はどこから来るのか」
優子   なにか大きな犯罪の片棒を?
良輔   これを犯罪と呼ぶなら大きすぎる犯罪だ。
     だが、なんとなく腑に落ちない。
優子   犯罪ですよ。
良輔   何かの映画で見たことないか?
     誘拐犯人が優しかったりする話。アレに似た違和感。
ケンイチ 永山さんの推論はだいたいそれで全部ですか?
良輔   ああ。
ケンイチ 鶴川さん、今の話わかりましたか?
良輔   半分わかればいいさ。
優子   私達は戦うためにぴよちゃんを育てさせられた。
良輔   みもふたもない言い方だが、私の意見はそうだ。
ケンイチ 答えを言う前に、現在のぴよちゃんの状態について報告します。
     おむつアイコンからもらう情報によれば、
     現在のぴよちゃんの大きさは全長約35メートル、球体に近いので直径でしょうか。
     先ほどの戦闘で得た資材はほとんど残らずぴよちゃんの一部になり、
優子   ・・・。
ケンイチ 新しい機能が付きました。・・・いわば副脳。
良輔   なんだそれ?
ケンイチ 私達はぴよちゃんの脳のあたりにいます。
     そして、ついさっき、背骨のあたりにもうひとつの脳のようなものができました。
二人   もうひとつの脳?
ケンイチ 運動神経か内蔵機能。どちらにせよ、こちらでは細かく指揮をとらない内容を判断します。
     ・・・あ、また増えた。じゃあ、決まりです。
     運動神経の副脳と、内蔵のための小脳が産まれました。
     そこには人間が必要です。
優子   え!
良輔   至れり尽くせりだな。
ケンイチ 鶴川さん。あの人たちは生きて、この船の乗組員になりました。
優子   ・・・みなさん、怖い思いをさせてすみませんでした。
     私はみなさんを・・・みなさんを。
ケンイチ そのうち通信できるようになります。そうしたら話してあげてください。
     永山さん。・・・正解です。
良輔   おおお。
ケンイチ 今、確信を持っていえます。この船は宇宙戦艦です。
     私達は生かされている。ぴよちゃんをしつける代わりに生存している。
     今後、宇宙戦艦を食べ続けて、乗組員を増やしていく。
     部品、エネルギー、そして僕らの生命維持。
     必ずしもバランスよくいかないから、おむつをはずす。
     ここまでわかってもなお、僕はぴよちゃんに感情移入している。
良輔   出来すぎなんだよなあ。
優子   そんなことありませんよ。だから傷ついているじゃないですか。
良輔   いやさ、設計思想?うちだってメーカーだから必死に開発してるじゃん。
     最先端のはずがさ、おもうに、これって軽く超えてないか?
     これがまじだとするとさ、私達の仕事って立場ないん・・・あれ?
優子   はい?
良輔   惜しい。もやっとした。
ケンイチ 確かに先端技術で言えば、我々オプティックや競合してるPSNなどのTICメーカー、
     あとはワイルドハーネス系の研究機関や軍事関係、
     これを凌駕するなんて困難です。
優子   あるところにはあるのかもしれませんよ。
     私達が最先端だなんて信じられません。
良輔   業界一位だぞ。
優子   でなきゃ、なんで毎シーズン機能があがるんでしょうか?
     人類の持つ技術のポテンシャルがまだまだあるってことじゃないですか。
     急に新しいものなんてできないんです。
     確実になった技術だけが生産ラインに乗るだけで、
     精魂込めた職人の仕事はそれはそれは真似できないものです。
良輔   職人・・・かあ。
ケンイチ んー。僕はまだまだですね。
     鶴川さんのいう職人の世界がどうもよく見えません。
優子   ケンイチくん。ロンの国際宇宙空港っていつできたか知っていますか?
ケンイチ んー、22世紀の終わりじゃないですか?木星時代の始まりじゃないですかね?
優子   空港としてスタートしたのはその頃。
     しかし、施設の基本的な部分は21世紀に作られた。
ケンイチ 本当ですか?それってまだ地球の歴史の頃ですよね。
優子   これは本当の話。
     地球で唯一の宇宙空港だったのを、そのまま持ってきたんです。
     二百年も前のものなのに、今も輝いている。
     TICどころかグラスもまだない時代に、あれだけの設備が作られた。
     私はそういう、永遠の輝きを持った仕事に憧れを感じます。
ケンイチ 見てみたいです。・・・僕、ロンは初めてで。
優子   宇宙船が順調に進んでいれば、早く見れたんですがね。
ケンイチ お二人ともロンは初めてではありませんよね。
優子   立場上、月に何度も往復しますよ。
ケンイチ 永山さんは?
良輔   あ?・・・うん。一応(考え事)


宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA

目次

10111213目次



『宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA』目次
公式ページ「Z-Land-Bさくいん:宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA
posted by 御堂鈴音 at 19:33| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙戦艦ぴよぴよSOPHIA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。